新自由主義が席巻しているなか、貧困・差別・格差が大きく広がっています。
新型コロナ禍によりそれらはさらに拡大していますが、その拡大は新型コロナそのものよりも社会構造により大きな要因があります。そのような状況にあって『平等の哲学入門』(新村聡・田上孝一編著、社会評論社2021年1月)が上梓されています。本書を執筆されたお二方の報告を基礎に平等を根本的・歴史的に検討し、さらに情報という現代に特有の問題領域から平等を考えます。
日時:11月14日(日) 14:00~17:00
報告1:新村聡(岡山大学・所員)「平等とは何か」
コメンテーター:牧野広義(阪南大学・名、所員)
報告2:平松民平(所員)「情報と平等」
コメンテーター:野口宏(所員)
司会:原田收(所員)
○報告1(新村)
*要旨:最初に「平等」と「公平」の違いを手がかりにして「平等とは何か」を考
えます。つぎに分配的正義の4原則(貢献、必要、応益負担、応能負担)について
検討し、最後に古代から現代まで平等思想史の大きな流れをたどります。
*基本文献
新村聡・田上孝一編『平等の哲学入門』、序章「平等とは何か」。
「はじめに(抜粋)と目次」(出版社HP) https://www.shahyo.com/?p=8398
*参考文献
新村聡「平等と分配的正義の基礎概念再考―賃金・保険・税・社会保障の制度
との関連で―」『岡山大学経済学会雑誌』51(2・3)、2020年3月、pp.107-122。
URL: oer_051_2-3_107_122.pdf
新村聡「平等と公平はどう違うのか―新自由主義から福祉国家へ」『世界』岩
波書店、2021年11月号。
○報告2(平松)
*要旨:情報は分けても使っても減らない、一人へのプラス給付が他者へのマイナ
ス給付にならない、個人の自由な利用が互いに衝突しない、自由と平等が両立す
る特異な性質を持つ財です。しかし、現実社会では情報は必ずしも平等に分配さ
れているわけではありません。このことを考えてみます。
*基本文献
新村聡・田上孝一編『平等の哲学入門』、第15章「情報と平等」。
*参考文献
基礎経済科学研究所編『時代はさらに資本論』第2章「大工業からAI、NET革命へ
―相対的剰余価値の生産」昭和堂、2021年5月
オンライン形式(Zoom)
ID:555-941-3689 パスワード:9l3jhN (パスワードの2文字目は小文字のエル)
https://us02web.zoom.us/j/5559413689?pwd=VUY0N0VwZ2lGOFJvTDZBRG5PZ3lzUT09