理事長挨拶

 20年ぶりの東京開催、駒澤大学での基礎研総会・研究大会は大盛況のうちに終えることができました。総会、シンポジウム、分科会も盛り上がりました。参加延べ人数や所員入所希望者も今までに1番多いという実績になりました。

 総会で、現状維持を基本とする役員体制が提案され、可決され、小生が理事長を継続することとなりました。来年度に役員選任システムを改革し、役員体制もある程度の刷新が予想されます。あと1年、残された課題に真摯に対応して、春大会での臨時総会を経て、来年夏の関西大学での大会で新体制が発足するように頑張りたいと思います。

 組織改革の課題は、東京支部の活動の拡大に象徴される基礎研活動の全国化に対応して、京都や大阪を中心とした従来の基礎研活動や運営の意思決定過程への参加などに、地域的な不均衡、不平等が顕在化していることです。活動の拠点を全国に拡散するために、抜本的な見直しが必要と考えています。

 もう1つは、基礎研の研究活動の活性化とそれに支えられた組織の活性化です。基礎研のダイナミズムの1つの源泉は自由大学院(夜間研究科)でした。社会人の教育・研究の先駆けともなった自由大学院は、その後各地に社会人コースが大学院に整備され、ICTの発展も相まって、入学生が減少してきました。ゼミに参加し、修了論文を完成させ、研究生・所友から所員に発達する、という過程を歩む人が少なくなりました。現状を踏まえると、今までのような形式で自由大学院の再活性化はかなり困難であると考えられます。こうした現状の中で、基礎研の労働者研究者養成の課題にいかに対応し、研究活動をどう再編するかが問われています。その中で自由大学院のあり方も議論されるでしょう。

 組織問題の最重要課題は、組織活動の担い手、若手研究者や院生の参加をいかに促進するかです。事務局や編集局は、若手の皆さんの厚意に甘えて運営されているといっても過言ではありません。OD層が中心で、いつ交替が必要となるかわからない事態です。重要なのは、若手や院生に基礎研の魅力を理解してもらい、積極的に参加したいという気を起こさせることです。それには研究成果を基礎研として、基礎研を基盤にして大いに発表して、基礎研の知名度を上げていくことも重要でしょう。また大学の枠を超えて、また専門の枠を超えて、多種多彩の研究者が自由に、相互に学び合っている雰囲気の魅力を実感してもらう必要があります。基礎研活動の中でコミュニケーションを活性化し、ネットワークに参加して、研究能力を高めることが可能であることを知ってもらうことが重要と考えます。所員を拡大し、財政基盤を拡充し、安定的な組織運営の上に立って、労働者や若手の研究援助が円滑に実現できる体制を形成していくことが、組織改革の最大の課題であると考えています。研究活動を中心に、いかに基礎研を活性化させるか、東京支部でみられるような組織改革・拡大を、全国レベルでいかにして作り出していくかが重要な課題です。これを実現するために、組織改革は必要です。

 この課題を中心にして、1年間頑張ります。皆さんのご意見、ご要望も大いにお寄せ下さい。

 

基礎経済科学研究所 理事長 中谷武雄