秋季研究大会(大阪経済大学・大隅キャンパス)開催のお知らせ

  2019年研究大会は、9月21・22日、大阪経済大学大隅キャンパスで開催しまうす。現地開催校担当として梅原英治さんに会場設営等、ご尽力をいただいています。昨年8月の50周年記念大会(立命館大学)、この春の横浜国立大学での研究交流集会を引き継いで、さらに来春の福島にて開催を予定している春季研究交流集会(福島)につなげるべき重要な大会です。多くの皆さんの積極的な報告や参加をお待ちしております。
 昨年は基礎経済科学研究所の創立50周年を祝いつつ、多くの記念事業を展開し、その成果が実を結びつつあるところです。創立50周年に関する残された事業を着実に実行してまいります。それとともに、昨年は大会の直前に、当研究所の生みの親、育ての親である森岡孝二さんが突然になくなるという悲しい出来事もありました。基礎研も共催団体として参加し、また他の団体と共同で、「森岡孝二先生追悼のつどい」が盛大に開催されました(2019年2月23日、シティプラザ大阪)。森岡さんが晩年に力を入れていた過労死問題の関係者、遺族や運動団体、学界やジャーナリズム、行政や政界からの多数の参加者があり、「過労死のない社会」を目指した森岡さんの意思を引きつぎ、新しい豊かで働きがいのある社会を実現するために、頑張ろうと息高く交流を深めました。
つどいの当日、参加者には、『森岡孝二の描いた未来:私たちは何を引き継ぐか』(森岡孝二先生追悼記念誌)が配布されました。森岡さんが、遺族や被害者、また過労死を告発し、なくしていこうと努力している人々に寄り添い、一緒になって考え、活動していた姿が浮き彫りにされています。社会運動だけでなく、演劇やバードウォッチング、俳句・川柳や小説・映画活動など、幅広く人柄が紹介されています。また、当日に、遺稿集、森岡孝二『雇用身分社会の出現と労働時間:過労死を生む現代日本の病巣』(桜井書店、2019年2月23日)も刊行、販売されました。「現代日本の雇用と労働」と「日本資本主義と労働時間」の2部構成です。プラス、森岡真史「父 森岡孝二のこと:あとがきにかえて」が、本書の内容の要約と、森岡孝二さんの思想的、実践的な歩みの跡と、身近な家族としてのエピソードで綴られています。
 私たち基礎研は、この2つの作品を森岡孝二の遺志として受け継ぎ、発展させていく課題に応えなければならいと考えます。そこでこの研究大会のテーマを「森岡孝二の理論と実践」とし、2つの共通セッションを理論面と実践面から追求すべく、ふさわしい司会者・コーディネータと報告者を選定し、構成を具体化する作業を進めています。
 テーマはまだ仮の段階で、今後他の報告の関連などで暫定的ではありますが、シンポジウムの構成と内容をご理解いただけるのではないかと思います。
8月の基礎研ニュースでは、共通セッションの構成・報告者についてのさらなる詳細をお伝えできるかと思います。また、例年通り、両日の午前中には分科会セッションも開催予定です。分科会には、個人報告もさることながら、セッションのセット企画も受け付けております。ふるってご参加をいただければ幸いです。(理事長 中谷武雄)


◆日時:2019年9月21・22日(土・日)
◆場所:大阪経済大学大隅キャンパス(大阪市東淀川区大隅2-2-8)

◇プログラム
≪第1日目/9月21日・土曜≫
◆テーマ別分科会(10:00~12:30)
➊第1分科会「都市の環境・復興問題」
報告1:濱真理「ごみ処理施設立地問題への協働アプローチ」
報告2:程遠紅(名古屋学院大学院生)「中国における都市ごみの現況と課題」
報告3:池田清(所員/神戸松蔭女子学院大学・名)「広島市の戦災復興と被爆者-福島原発事故とのかかわりで」
司会:十名直喜(所員/名古屋学院大学・名)
 
❷第2分科会「数理マルクス」
報告1:大西広(所員/慶應義塾大学)「多数決政治で反対勢力が勝利する条件についての数理的分析」
報告2:金江亮(所員/桃山学院大学)「AI化と投下労働量」
報告3:田添篤史(所員/三重短期大学)「資本主義は完全な機械化を達成するか」
司会:大西広
 
◆共通セッションⅠ(14:00~17:00)
テーマ「森岡孝二が切り開いた世界」
司会・コーディネータ:後藤康夫(所員/福島大学)
報告1:森岡真史(所員/立命館大学)「森岡孝二遺著『雇用身分社会の出現と労働時間』について」
報告2:松本朗(所員/立命館大学)「金融資本・創業者利潤・インフレ論」
報告3:十名直喜(所員/名古屋学院大学・名)「挑戦と思いやりが育んだ森岡企業社会論-到達点と課題」
報告4:中野裕史(所員)「森岡労働時間論の視角と実践的課題」
 
◆総会(17:00~18:00) 懇親会(18:10~)
 
≪第二日目 9月22日・日曜≫
◆テーマ別分科会(10:00~12:30)
❶第1分科会「博士論文(社会人・論文博士)発表会」
報告1:冨澤公子(所員/市民大学院)「奄美のシマ(集落)にみる文化資本を生かした地域経営」
報告2:杉山友城(福井県立大学)「地域経営と文化創造地域への視座」
冨澤報告・杉山報告へのコメント:中谷武雄(理事長)
報告3:十名直喜(所員/名古屋学院大学・名)「動・学・研」(博論・本つくり)研究会の提案」
報告4:桜井善行(所員)「『企業福祉』の日本的特徴と課題」 [紙面報告]
司会:中谷武雄
 
❷第2分科会「自由論題」
報告1:竹内たかお(所員)「アソシエーションの経済構想に『ゴータ綱領批判』をどう活かすか」
報告2:井本明(所員)「『健康で文化的な最低限度の生活』は、『誰』が守るのか」
司会:小沢修司(所員/京都府立大学・名)
 
❸第3分科会「森岡孝二研究」
報告1:高田好章(所員)「森岡孝二は派遣労働をどう語ったか(仮)」
報告2:松浦章(所員)「森岡孝二の描いた未来」
司会:青木圭介(所員/京都橘大学・名)
 
◆共通セッションⅡ(14:00~17:00)
テーマ「森岡孝二と新しい社会運動」
司会・コーディネータ:後藤宣代(所員/奥羽大学・非)
報告1:藤岡惇(所員/立命館大学・名)「日本の経済学史における『基礎研の探求』の位置・価値・課題を考える-森岡孝二の業績と50年史の私的総括の試み」
報告2:中谷武雄「働きつつ学ぶと学びつつ教える:基礎研運動の原点と展望」
報告3:岩城穣(弁護士・岩城総合法律事務所)「過労死防止運動の歩み」
報告4:後藤康夫(所員/福島大学)「福島支部設立準備委員会活動:基礎経済科学研究所50周年出版プロジェクト『21世紀の新しい社会運動とフクシマ』の研究会活動」
 

懇親会の開催について

9月21(土)の夕方より、大阪経済大学内ホール(予定)にて大懇親会を開催いたします。参加費等はまだ未定です。8月に発行する基礎研ニュースにて、懇親会参加者の申し込みを行います。申込期限等もありますので、懇親会参加を予定される方は必ず次号ニュースをご一読ください。

 

 

 

 

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