2018年12月8日、外国人労働者・技能実習制度に対する法律改正が成立しました。人手不足と喧伝される中で、外国人労働者にその活路を見出そうと意図された改正でありました。高度な技術・知識を持った外国人だけでなく、製造現場などで働く一般的な労働者としての外国人労働者問題は、1980年代後半から日系人労働者を受け入れたことで始まりました。1990年代後半に、開発途上国への技術移転という建前で、技能実習制度が導入されたことで、外国人労働者の問題が大きく広がっていきました。さらに今回の改正では、「特定活動」ということで業種を限って受け入れ枠をつくり、政策的に大量の外国人労働者を受け入れることとなりました。厚労省の発表では2017年10月末現在、128万人の外国人労働者がすでに日本で働いています。この度の法律改正は、さらに外国人労働者の枠を拡大する、というものです。新聞紙上で明らかなように、技能実習制度には大きな問題があり、これを更に「特定技能」ということで存続・拡大されています。 このような問題を論じるに、今回は二人の方をお招きしました。中国新聞社会部記者の久保友美恵さんは、大学院時代から外国人実習生問題に取り組まれ、それに対する研究だけでなくその支援活動も行う経験をお持ちです。新聞記者として、引き続き技能実習生問題に取り組まれ、さらに外国人労働者の家族の問題、子供の教育の問題まで取材されています。もう一人の報告者・早崎直美さんは、肩書にありますように「すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RINK)」の事務局長であり、外国人労働者からの労働や生活の相談を受けて、直接この問題に関わってこられました。 今回の現資研では、報告者の方々からの報告によって、外国人労働者・技能実習生問題を実態・現状からより深く探っていきます。日本における働き方の問題では重要な論点の一つです。ぜひとも聴いていただきたく、案内いたします。 共催:立命館大学経済学会セミナーシリーズ 日時:2019年4月27日(土)14:00 ~ 17:00 会場:キャンパスプラザ京都 第1講習室(6階) 京都駅下車徒歩5分、中央郵便局西隣、ビックカメラ向 ◆報告: ①久保友美恵:中国新聞社会部記者 「労働力導入としての『技能実習』制度-10年前と現在の地方の実態から」 ②早崎直美:すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RINK)事務局長 「技能実習制度と新たな外国人労働者受け入れ(仮題)」 ・司会:髙田好章(所員) ◆資料代:500円
一般参加歓迎・事前申込不要