第40回研究大会(駒澤大学)開催のお知らせ

基礎経済科学研究所・第40回秋季研究大会を、9月17(土)・18日(日)に開催いたします。会場は駒澤大学で、一昨年の第37回大会以来、東京では2年ぶりの開催です。現地・東京支部では、昨年末から企画・準備を進めてきました。

 共通セッションでは、東京支部の有力メンバーとして活躍されている姉歯さん(駒澤大学)と北島さん(立教大学)にコーディネーターをお願いし、ほぼ一年前から支部内での議論を重ねながら、内容を少しずつ固めてきました。17日の共通セッションⅠでは、「ジェンダー問題へのマルクス経済学的接近」をテーマに、中川スミさんの遺著『資本主義と女性労働』の成果を踏まえ、そのさらなる発展をめざして組み立てました。また、18日の共通セッションⅡでは、「サードセクターと労働組合運動」をテーマに、それぞれ経済学・社会学・法学と学問領域の異なる三人の方々に、近年の注目すべき動向についてご報告いただきます。

 分科会もいくつか特徴があります。通例の所内からの希望を中心に構成した分科会もありますが、支部として独自にテーマを考え、所外の方にも報告を依頼した分科会もあります。17日の「学術教育への国家統制」は、近年では大学にまで本格的に国家の介入が進んでいるという問題について、日本科学者会議にも相談して設定しました。「労働運動の戦略的課題」は、同日午後の共通セッションとも関連した内容で、「同一労働同一賃金」の問題に関して法曹界の第一人者である水口弁護士から報告をいただきます。18日の「文化運動」は、まさに基礎研ならではのテーマ設定で、多彩な方々の報告をいただきます。「MEGA研究のポテンシャル」はマルクス研究の最新動向を反映したものです。

 さらに、所内からの報告を中心に構成された分科会も、今日的課題に正面から取り組んだものであるだけでなく、報告者の顔ぶれにも研究(労働)者・一般の労働者をつなぐ場でもある基礎研らしさが出ています。

 皆様のご参加をお待ちしています。

【日 時】2016年9月17日(土)、18日(日)
     10時00分~17時30分

 

【会 場】駒澤大学・駒沢キャンパス アクセス
     第二研究館 [204~209号室]
【資料代】1000円 学生・院生 500円
*参加申込不要、一般参加歓迎

 

懇親会のご案内
 第1日目の研究所総会の終了後に懇親会を開催いたします。参加ご希望の方は、9月7日までにメール(office@kisoken.org )で事務局にご連絡ください 。
 
会場:深沢キャンパス・日本館「桜の間」
日時:9月17日(土) 18:30-20:30
懇親会費4,000円(学生・院生等 2,000円)

 

 

プログラム
第1日目(9月17日)
10:00~12:30 テーマ別分科会

第1分科会「学術教育への国家統制」 (209号室)
司会:森谷一夫(基礎研所員)
報告1:齋藤安史(JSA科学・技術政策委員会)「科学技術・イノベーションの活性化と「大学改革」」
報告2:佐久間英俊(中央大学)「日本の私立大学の抱える問題とその解決方向」
報告3:中野裕史(基礎研事務局長)「私立大学におけるガバナンス改革と労使関係の変容」

第2分科会「労働運動の戦略的課題」 (204号室)
司会:宮下武美(基礎研所員)
報告1:水口洋介(弁護士)「「同一労働同一賃金」について-法律家の立場から」
コメンテーター:伊藤圭一(全労連)
報告2:高田勢介(基礎研所友)「過労死・パワハラからどう心身を守るか」
コメンテーター:梶龍介(東京自治労連)

第3分科会「マルクス経済学の諸問題」 (205号室)
司会:大西広(慶應義塾大学)
報告1:金江亮(三重短期大学)「マルクス派最適成長論における格差」
報告2:平松民平(基礎研所友)「非物質的財の生産について・・・マルクスを現代に、現代を社会主義につなぐ一助に」
報告3:森岡真史(立命館大学)「歴史上の社会主義経済における予見されざる諸困難」

14:00~17:30 共通セッションⅠ (209号室)

テーマ:「ジェンダー問題へのマルクス経済学的接近」

司会:姉歯暁(駒澤大学)
報告1:足立眞理子(お茶の水女子大学)「資本主義とジェンダー―中川理論の成果とフェミニスト経済学の現在」
報告2:森ます美(昭和女子大学)「女性非正規6割時代の賃金格差のジェンダー構造― 同一賃金への戦略」
報告3:森岡孝二(大阪支部)「日本的パートタイム労働者はいかにして創出されたか―男は残業・女はパートの起源と現状―」
コメンテーター:青柳和身(岐阜経済大学・名)

17:30~18:20 総会
18:30~20:30 懇親会

第2日目(9月18日)
10:00~12:30 テーマ別分科会

第1分科会「文化・芸術と現代社会」 (209号室)
司会:瀬戸岡紘(駒澤大学・名)
報告1:根本昌明(オーケストラ指揮者)「理想と考えられるオーケストラづくり」
報告2:野田耕造(映画監督)「ロロ族探訪取材記」
報告3:小松修(美術研究家)「現代のナイーブ・アート-日本とセルビアを中心に」
報告4:吉川裕(能研究家/能面制作家)「能面をとおして日本の伝統文化を考える」
報告5:田井勝(基礎研所員)「ポピュラー音楽の誕生と展開――ジャズとロックを追って」

第2分科会「MEGA研究のポテンシャル」 (204号室)
司会・コメンテーター:明石英人(駒澤大学)、宮田惟史(駒澤大学)
報告1:羽島有紀(一橋大学・院)「マルクスの物質代謝論と地代論の展開」
報告2:堀内健一(駒澤大学)「銀行資本における利潤率の傾向的低下――大手邦銀の低収益性について」

第3分科会「現代世界の新潮流」 (205号室)
司会:吉川顕麿(金沢星稜大学・名)
報告1:大西広(慶應義塾大学)「階級闘争としてのイギリスのEU離脱」
報告2:佐々木優理(高校講師)「イギリスのEU離脱と中間層の怒り~スコットランド独立の是非と問題点~」
報告3:殿塚明夫(基礎研所員)「イスラーム国の分析」

第4分科会「社会運動と労働論」 (206号室)
司会:中根康裕(大原社会問題研究所)
報告1:後藤宣代(福島県立医科大学・非)「「3・11フクシマ」と市民社会-社会危機と科学的市民の生誕」
報告1:後藤康夫(福島大学)「ネット新世界と階級-2011年都市社会運動(オキュパイ)をめぐるマルクス主義(ハーヴェイ)vsアナーキズム(グレーバー)-」
報告3:高田好章(基礎研所員)「請負労働者の実態調査研究について-伊原亮司氏の自動車産業報告に寄せて」

14:00~17:30 共通セッションⅡ (209号室)

テーマ:「サードセクターと労働組合運動」
司会:北島健一(立教大学)
報告1:富沢賢治(一橋大学・名)「社会的・連帯経済と非営利・協同運動」
報告2:山田信行(駒澤大学)「社会運動ユニオニズムの岐路―成果と抵抗の狭間で」
報告3:島村博(協同総合研究所)「変貌する労資関係の下での社会的連帯の再構築―協同労働の協同組合法を求めて」
 

 

 

 

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