2016年 春季研究交流集会(名古屋学院大学)開催のお知らせ

テーマ:『働・学・研』融合型の持続可能な産業・地域づくり

 

<2016春季研究交流集会ご参加のお願い>

  2016春季研究交流集会を、3月12日(土)~13日(日)、名古屋学院大学さかえキャンパスにて開催します。「「働・学・研」融合型の持続可能な産業・地域づくり」を統一テーマとし、共通セッション1「「働・学・研」融合型の理念と実践」、共通セッション2「持続可能な循環型産業・地域づくり」、分科会も多彩な内容で企画しています。担当理事の十名さんは、「働きつつ学ぶ」基礎研理念を自ら実践し、今は名古屋学院大学において社会人院生、研究者の養成に心血を注いでおられます。50周年を迎える基礎研の原点に立ち帰って、「働きつつ学ぶ」ことの意義、労働者研究者の在り方、そして基礎研の活性化など、大いに議論しようということで、大会開催を引き受けていただきました。ご自分の経験も含めて、また大学院教育の実践にもとづいて、大会の討議資料ともなるように、大会テーマの題名の論文を『名古屋学院大学論集 社会科学篇』52-3、にご準備いただきました。また昨年秋には、大会プレシンポとして、現資研も開催しました。大会趣意書も、何回も修正を加えられ、分科会報告者も多数を組織していただいて、万端の準備態勢で臨んでおられます。共通セッションの関係者には、今回初めての試みとして、メーリングリストを作成し、報告主旨の前もっての共有を目指し、内容についてもコメントを付し、これから当日の報告、コメント、議論に向けて意識共有を図る努力をしています。報告要旨集も全員掲載を目指して、質の高い原稿が集まるように、内容や形式にまで注文を付けながら準備をしています。懇親会会場も貸し切りの実現のため、多い目の参加を目指して予約が完了しています。あいにくと名古屋地域が混雑していて、宿泊(環境)がかなり厳しい状況です。こうした条件を乗り越えて、多数の皆さんのご参加をお願いし、大いに議論をし、50周年記念事業のスタートが切れる、素晴らしい大会にしたいものです。所員、所友、また読者の皆様、また市民の皆様の参加を期待しております。

理事長:中谷武雄

 

 

趣意書

 2016春季研究交流集会の統一テーマは、「『働・学・研』融合型の持続可能な産業・地域づくり」である。「働きつつ学ぶ」は、基礎研の理念あるいは道標として半世紀近くにわたり基礎研を支え、それを体現する多彩な研究者や創造的な共同研究を育んできた。
 「働・学・研」融合は、その粋を明示化した「働きつつ学び研究する」のコンパクトな表現である。春集会のキーコンセプトとして捉え直し、産業・地域の21世紀的課題と結びつけ、「働・学・研」融合による持続可能な循環型社会づくりを展望するというシナリオを設定した。このテーマを具体化したのが、2つの共通セッションである。1つ(1日目)は、「『働・学・研』融合の理念と実践」である。基礎研に集い研究を続け社会人大学院などでも磨きをかけてきた社会人をはじめ、彼らと学び合い研究を発展させてきた大学人も含めて、半世紀に及ぶ協働の試みと思いについて語り合い深めたい。
このようなテーマを共通セッションの軸とすることは、学会としても稀なこととみられる。当初、心配する空気も感じられたが、むしろ基礎研にふさわしい挑戦と考える。多様な実践に光をあて、理論的な新地平を切り拓きたい。
 2つ(2日目)は、「持続可能な循環型産業・地域づくり」である。日本をはじめとする先進国では「持続可能な成長」が困難さを増すなか、「成長」とは何か、「持続可能な社会とは何か」があらためて問われている。そこで、定常化社会やポスト資本主義などの議論をふまえ、人類史的なマクロ視点から上記のテーマを捉え直したい。さらにズームインして等身大の視点から、自然・地域・共同体への関わりの変化、そこからの離脱(「離陸」)から「着陸」への流れ(いわば「静かな革命」)を、産業・地域づくりの多様な試みに学びつつ深めたい。
 分科会においても、自由大学院の各ゼミや支部をはじめ多くの方にご参加いただき、多様な報告と闊達な議論を期待したい。基礎研の50周年(2018年)と次の半世紀を見据えて、2つの共通セッションと多彩な分科会が共鳴し合い、基礎研再生を産業・地域再生論とともに深める機会になればと願っている。
会場となる名古屋学院大学さかえサテライトは、社会人大学院の学びの場として1997年に開設された。名古屋駅に近く、交通の便もよい。2日間、ほぼ全館貸し切りで、交流を楽しんでいただける。懇親会場も貸し切りで、2分ほどの近場にある。マイク付き、全席椅子、30~50人も楽しめるスポットを確保して、多くの方のご参加をお待ちしている。
 

 

日時:2016年3月12日(土)~13日(日)
場所:名古屋学院大学さかえサテライト(名古屋市中区4-1-1中日ビル7階
TEL:052-678-4076)
主催:基礎経済科学研究所
協賛:産業システム研究会、愛知労働問題研究所、経済理論学会東海部会研究会
 
 
 
当日の宿泊について
春集会の期間中に名古屋シティマラソン(3月12日‐13日)が開催されています。これに伴い、名古屋駅周辺での宿泊予約が難しくなっております。宿泊を希望される方は、宿泊予約サイトで刈谷、安城、知立等でお探しください。
(名古屋からJR快速・名鉄特急で15~20分の距離ですので、会場へのアクセスは容易です)
<第1日目(3月12日)>
並行セッションⅠ(9:30~12:00)
Ⅰ.第1分科会「社会思想史」
司会:中村浩爾(大阪経済法科大学・名)
①田中幸世(基礎研所員)
「時代と対峙する学び―上田自由大学、自由大学運動の思想―」
②服部寿子(基礎研所員)
「アダム・スミスの『天文学の歴史』研究ノート-1」
コメンテータ:中村浩爾
 
Ⅱ.第2分科会「経済体制」  
司会:阿部太郎(名古屋学院大学)
①森岡真史(立命館大学)
「ロシア十月革命における模索と選択――社会主義への突進はいかに生じたか――」
②佐中忠司(広島大学・名)
「「アベノミクス」GDP600兆円の虚構性」
③北野正一(兵庫県立大学・名)
「近代経済社会体制論の史的展開と将来像・・民主、効率、平和の観点から。」
コメンテータ:阿部太郎
 
Ⅲ.第3分科会「産業と技術」  
司会:高田好章(基礎研副理事長)
①納富義宝(産業システム研究会)
「素形材産業の非量産システムにみる技術と経営―伝統を活かす創意的試み―」
②藤田泰正(産業システム研究会)
「工作機械産業の技術と経営」
③太田信義(産業システム研究会)
「技術アウトソーシングの役割と課題―自動車産業を中心にして」
コメンテータ:十名直喜(名古屋学院大学)
 
Ⅳ.第4分科会「戦争と文化/経済理論」
司会:古池嘉和(名古屋学院大学)
①池田清(神戸松蔭女子学院大学)
「戦争と文化、固有価値」
②中谷武雄(基礎研理事長)
「ケインズとイギリス・アーツカウンシル」
③金江亮(三重短期大学)
「マルクス派世代間重複モデル」
コメンテータ:井手芳美(産業システム研究会)
 
開会行事(13:30~13:40)
共通セッションⅠ(13:40~17:30)
『「働・学・研」融合の理念と実践 』
 
司会:中谷武雄(基礎研理事長)
報告1:十名直喜(名古屋学院大学)
「「働・学・研」融合の理念と実践-コンセプトと論点の提起-」
報告2:池田清(神戸松蔭女子学院大学)
「私のささやかな研究史」
報告3:高田好章(基礎研副理事長)
「基礎研自由大学院大阪第三学科の歩み、その成果と課題」
報告4:松浦章(兵庫県立大学・客員研究員)
「損害保険産業におけるCSRと雇用・労働―「働・学・研」融合の理念と実践」
 
コメント:
①中村浩爾(大阪経済法科大学・名)
②中野嘉彦(基礎研東京支部)
「自分史からみる経営管理と『資本論』研究」
③桜井善行(愛知労働問題研究所)
「「働きつつ学び研究する」ことで問われていることは何か―自らの経験から語りたいこと」
④井手芳美(産業システム研究会)
「働きつつ学び研究する意義と未来への展望」
 
<第2日目(3月13日)>
並行セッションⅡ(9:30~12:00)
Ⅴ.第1分科会「マルクス経済学理論」  
司会:大西広(慶應義塾大学)
①森本壮亮(桃山学院大学)
「利潤率の傾向的低下法則論から見た日本資本主義」
②田添篤史(京都大学・非)
「景気循環と剰余価値率-1970年代からの日本経済をベースとして」
コメンテータ:大西広
 
Ⅵ.第2分科会「地域とまちづくり」   
司会:小沢修司(京都府立大学)
①古橋敬一(産業システム研究会)
「地域創造の実践―学び合いの場づくりの事例を中心として」
②杉山友城(産業システム研究会)
「地域産業と企業経営」
③梅村一晃(産業システム研究会)
「成熟産業を活かした成熟都市の地域振興―愛知県一宮市における毛織物産業の事例―」
コメンテータ:古池嘉和(名古屋学院大学)
 
Ⅶ.第3分科会「社会経済の日中比較」   司会:中谷武雄(基礎研理事長)
①範忠閲(産業システム研究会)
「中国の海外消費を生かした日本の地域づくり―名古屋圏の視点」
②程永元(産業システム研究会)
「中国における食の安全・安心システムづくり―法制・行政・現場の三位一体アプローチ」
③程遠紅(産業システム研究会)
「中国における都市生活ごみの現状と課題―鄭州市と名古屋市の比較をふまえて」
コメンテータ:庵原孝文( 東海日中学会副会長,産業システム研究会)
 
Ⅷ.第4分科会「人間発達」   
司会:藤岡惇(立命館大学)
①森岡孝二(関西大学・名)
「いまマルクスの労働時間論をどう読むか」
②片山勝己(産業システム研究会)
「企業内学校の現状と転換課題-看護学校をモデルとした企業附属学校化提案-」
③井手芳美(産業システム研究会)
「中国の日系企業にみる創造型経営と人づくり―「経営理念」を活かしたグローバル化の新地平」
コメンテータ:阿部太郎(名古屋学院大学)
 
共通セッションⅡ(13:30~17:00)
『持続可能な循環型産業・地域づくり 』
 
司会:古池嘉和(名古屋学院大学)
報告1:十名直喜(名古屋学院大学)
「持続可能な循環型産業・地域づくり―コンセプトと論点の提起―」
報告2:池上惇(市民大学院)
「金融資本概念と現代産業論」
報告3:熊坂敏彦
(昭和女子大学現代ビジネス研究所・研究員)
「「地域循環型地場産業」について」
 
コメント:①鈴木茂(松山大学)
     ②藤岡惇(立命館大学)
     ③和田幸子(名古屋学院大学・元)
 

Comments are closed.