春季研究交流集会開催のお知らせ

 「3・11」は、われわれに既存の経済理論を根本的に問い直すことを求めた。原子力発電の上に成り立っていた日本経済も、その根本的なありかたの再考が不可欠となった。「震災復興」や「代替エネルギー」、そして新しい産業システムや地域構造の再構築が喫緊の課題となっている。会員の皆様の英知を結集し、実りある研究集会にしたい。
 いよいよ今年は、戦後70年の大きな節目を迎えることとなる。基礎研も設立50年を総括し、これからの50年を展望する準備の1年となる。経済と経済学を全面的に問い直して産業とくらしを立て直していくために、まずその根本となる「自然」のありかたについて、哲学・経済学の総力を結集し、21世紀のための新たな知の基盤構築を進めたい。初日の全体セッションはこの課題を追及する。
 「自然の哲学・経済学」という基礎的な理論についての討論をふまえて、より現実的で現代的な課題に切り込みたいと考えている。「自然」の捉えなおしは、人間発達の経済学にどのような新しい課題を投げかけてくるのか。これまでの基礎研の研究成果を総括することで、労働・技術・産業・地域・文化・エネルギーのあたらしい形とスタイルのための基本的な考え方を提起する。総合的なパネル・ディスカッションでは、集会参加者の意見も集約して、戦後70年を見通せる方向性を打ち出すプレ企画としていきたい。


【会場のご案内】
名城大学名駅サテライト(MSAT)
〒450-0002 名古屋市中村区名駅3-26-8KDX名古屋駅前ビル13階
TEL:052-551-1666
JR東海「名古屋駅」から徒歩3分、ユニモール地下街4番出口を出てすぐ
※名城大学はキャンパスが複数ありますのでご注意ください。

【テーマ】
1.「自然の哲学・経済学」
2.「経済学は時代に応えているか-構造転換を再考する-」


主催:基礎経済科学研究所
共催:日本学術振興会(アジア研究教育拠点事業)


<第1日目>
【日 時】 2015年3月14日(土) 10時15分~18時30分
(施設は10時開場のため、10時以前にご来場いただいても入館できません)
【会 場】 名城大学名駅サテライト(アクセス)
(名古屋市中村区名駅3-26-8
KDX名古屋駅前ビル13階)
【資料代】 2,000円(学生等1,000円)
 
テーマ別分科会(10:15~12:30)
Ⅰ.成熟社会論
司会:碓井敏正(京都橘大学・名)
①碓井敏正(京都橘大学・名)「グローバル社会における成熟社会の課題」
②石田好江(愛知淑徳大学)「成熟社会の新たな生活保障」
③高橋肇(名古屋音楽大学)「『デモクラシー』と『政治』の間」

Ⅱ.雇用・社会保障と公共政策
司会:小沢修司(京都府立大学)
①高田好章(基礎研所員)「派遣労働の先行形態としてのギャングシステムと工場内請負制ついて―親方制度と資本主義の発展に関する試論―」
②北島健一(立教大学)「サードセクターと公共政策-社会的経済、連帯経済、ソーシャル・アントルプルヌールシップをめぐる現代世界の動向か
ら-」
③瀬野陸見(京都大学・院)「社会的排除概念の再検討―従来の貧困概念との差異とその課題―」

休憩・会議等 (12:30~14:30)(理事会 12:30~13:30)

共通セッションⅠ(14:30~18:30)
テーマ「自然の哲学・経済学」
開会挨拶:梅垣邦胤(名城大学・名)
報告1:島崎隆(一橋大学・名)「マルクスの自然観:エコロジーと環境問題」
報告2:片山善博(日本福祉大学)「環境哲学の一つの試み―自然哲学と倫理学の統合に向けて」
報告3:山本孝則(大東文化大学・元)「現代資本主義の対立基軸としての『環境』-『環境=自己外部』論から『自己延長論』へ」
コメンテータ:小松善雄(立教大学・元)
コーディネータ:明石英人(駒澤大学)

※共通セッション後、19時から会場付近にて懇親会を開催いたします。参加を希望される方は、3月6日(金)までに事務局(office@kisoken.org)までご連絡ください。会費は当日徴収いたします(3000~3500円を予定)。

<第2日目>
 【日 時】 2015年3月15日(日) 10時15分~18時00分
 【会 場】 名城大学名駅サテライト
 臨時総会(10:15~11:45)
 休憩・会議等 (11:45~12:30)

テーマ別分科会(12:30~14:30)
Ⅰ.数理マルクス経済学
司会:大西広(慶応義塾大学)
①大西広(慶応義塾大学)「搾取は時間選好の差による利子であるとの説について」
②金江亮(京都大学・非)「時間選好率と搾取」
③田添篤史(京都大学・非)「日本経済の構造変化-置塩型利潤率をベースとして-」

Ⅱ.歴史理論と社会運動論
司会:中根康裕 (大原社会問題研究所嘱託研究員)
①後藤康夫(福島大学)「ポスト冷戦20年の世界史像-歴史理論の21世紀的展開-」
②後藤宣代(奥羽大学・非)「社会運動から市民主導型経済セクターへの展開 -サンフランシスコ・グリーンフェスティバルにみるアメリカ的な
道-」
 
Ⅲ.人間発達と教育
司会:中谷武雄 (基礎研理事長)
①森谷一夫(基礎研所員)「中教審(答申)のパースペクティブ」
②中村賢治(香川大学地域連携戦略室客員教授)「新しいキャリア教育の試み」
③十名直喜(名古屋学院大学)「21世紀型産業システムへの視座-持続可能な循環型発展モデルの創造に向けて」

共通セッションⅡ(14:30~18:00)
テーマ「経済学は時代に応えているか-構造転換を再考する-」
基調報告:佐中忠司(広島大学・名)「わたしと基礎研-国家資本・社会資本・文化資本」
総合司会・パネルディスカッションへの論点整理
       井内尚樹(名城大学)
       増田和夫(京都経済短期大学)
パネリスト:明石英人(駒澤大学)
       佐中忠司(広島大学・名)
       小松善雄(立教大学・元)
       藤岡惇(立命館大学)
       野口宏(関西大学・元)
               十名直喜(名古屋学院大学)
コーディネータ:井内尚樹(名城大学)

Comments are closed.