現代資本主義研究会(10月7日)開催のご案内

日時:2017年10月7日(土)14:00-17:00
場所:立命館大学・大阪茨木キャンパス・C棟471番教室
 
テーマ:「地域で力を築くアメリカの労働運動と日本:翻訳新刊をめぐって」
報告:柴田義雄様:立命館大学政策科学部非常勤講師・「職場の人権」運営委員
   「『地域力をつける労働運運動』、その問いかけるもの(仮題)」
報告:近森泰彦様:「ユニオンと連帯する市民の会」代表
   「地域で労働者と市民の連帯・共同を目指して」
司会:高田好章(所員)
資料代:500円 申込不要

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 今回の現資研は以下の翻訳新刊本を取り上げ、「地域で力を築く戦略」という新たなアメリカの労働運動をめぐって報告・討論を行います。

エイミー・ディーン/デイビット・レイノルズ(著) アメリカの労働運動を原書で読む会 (訳)

『地域力をつける労働運運動:アメリカでの再興戦略』かもがわ出版、2017年8月

原書:Amy B. Dean / David B. Reynolds"A New New Deal: How regional activism will reshape the American labor movement" A Century Foundation Book, 2009

 この本は今年8月に「アメリカの労働運動を原書で読む会」によって翻訳出版されたばかりです。ここに、我々はアメリカにおける労働運動の新たな潮流をここに知ることとなります。この本の「訳者あとがき」によれば、かつての有名なニューディール時代には地域の戦いと結びつき社会運動になることによって労働組合の結成と労働法の促進が促された、という経験があります。現代はアメリカでも労働組合の組織率が下がり、労働組合を作る権利さえ侵されようとしている今、労働組合の存続と組織拡大のために、地域住民の問題を取り上げ地域運動を含む社会運動を行うという労働運動の新たな姿が、ここに描かれています。それは、深いコアリッション(ある政治目標の為の様々な団体・個人の連合組織)によって、新しいニューディール[A New New Deal]と呼ぶ運動へと発展しています。「地域で力を築く戦略」としての労働運動と社会運動との連携は、労働運動が社会運動によって「労働者住民が暮らしやすい社会を建設しよう」という目標になっていきます。

 このような新たな視点を捉えた労働運動の方針書であるこの本をめぐって、報告者の柴田様には、この本の内容に関して理論的問題・政策的問題・運動論的問題などを話していただきます。柴田様はアメリカ・ニューヨークにおいて社会学の研究で博士号を取得され、現在は立命館大学で教えられるとともに、「職場の人権」の運営委員としてもご活躍されています。もう一人の報告者・近森様は、「愛知働くもののいのちと健康センター」の元事務局長で、現在は「ユニオンと連帯する市民の会」の代表を務められています。近森様は、トヨタの少数の労働組合を市民で支える運動を早くから展開され、しかも地域の社会運動組織をまとめられて、日本で労働組合運動と市民運動の同盟を実践されてこられました。これらの運動・活動・経験を語っていただき、さらに、今回の翻訳本に関連した問題点にも触れていただきます。この本の監訳者を務められた基礎研所員である仲野(菊池)組子さんをはじめ、翻訳された「アメリカの労働運動を原書で読む会」の方々にもご参加をお願いしております。

 今現在、日本の労働運動をはじめ市民運動、社会運動がどうあるべきか、どのような方向へ向かうべきか、それらに対して示唆に富む研究会であります。多くの皆様のご参加がお待ちしております

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