東京支部研究集会開催のお知らせ

 東京支部では5月現代資本主義研究会(本部主催)に続き、「経済の金融化」の問題を今回も扱うこととなりました。「経済の金融化」とは、経済活動において金融的諸現象の位置が大きくなっていることを意味しますが、それの理論化を進めてきたのは1990年代当初以降の非マルクス派の諸学者でした。これを高田太久吉中央大学名誉教授は一貫して追究してこられ、マルクス経済学もその成果を学ぶべきであるとされています。この3月にはその成果を『マルクス経済学と金融化論』新日本出版社として出版されています。
 しかし、この理論的追究にとって必要な研究対象は一般的な金融現象にとどまらず、日銀の「異次元緩和」に見られるような、リーマンショック後の先進各国中央銀行の競争的な「量的金融緩和」政策です。このため、「経済の金融化」を検討するもうひとつの題材としてアベノミクスを取り上げ、その検討を、「量的・質的金融緩和」政策を中心に前畑雪彦桜美林大学教授にお願いすることとなりました。前畑先生は鶴田満彦・長島誠一編『マルクス経済学と現代資本主義』(桜井書店、2015年7月)の第9章で「不換制下の貨幣資本蓄積と現実資本蓄積」という論稿を発表されています。
 関東にはマルクス経済学を金融論の視角から研究する研究者が多数おられます。その成果を基礎研としても学びたいと考えています。
 
日 時 12月5日(土)午後14:00- 
会 場 駒澤大学1号館1-404教室
 
報告者
  高田太久吉(中央大学名誉教授)
    「マルクス経済学と金融化論」
前畑雪彦(桜美林大学教授)
  「量的・質的金融緩和政策とアベノミクスの展開の帰結について」 
司 会 米田 貢(中央大学教授)
 

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