(東京)現代資本主義研究会(12月4日)開催のお知らせ

 この度堀之内出版から出版されました話題の書、岩佐茂・佐々木隆治編『マルクスとエコロジー』を題材とし、その中の2人の執筆者からご報告をいただき、現代資本主義研究会を行います。明石さんはこの間、「経済学と自然・人間」をテーマとした基礎研の春季研究集会などで、他方の佐々木さんも、最近ちくま新書として『カール・マルクス』を出版されるなど有力なMEGA研究者として、大いに活躍されています。
 本書は、マルクスが環境破壊や環境保護についてどのようにとらえていたのかを若き頃のマルクス、資本論執筆期のマルクス、晩期のマルクスに分け、マルクスの思想のうちにあるエコロジー的視点を積極的に展開することを試みています。すなわち、若い頃のマルクスは、人間を「自然の一部」としてとらえ、人間的労働は自然からの離反を示すものではなく、自然との一体化の証としてとらえていました。経済学研究、とくにその成果である『資本論』においては、生活を人間と 自然の物質代謝ととらえる視点から、資本の論理による経済活動のなかで、物質代謝が「攪乱」され、「亀裂」をひき起こす事態を環境や人間の健康の破壊として判明した。晩期では、「掠奪」ではない農業のもつ意義の見直しにつながる「抜粋ノート」を残しています。
 研究会の議論でマルクスの環境問題に関する認識が豊かに発展していくためにも多くの参加者のご参加をお待ちしています。
 
 
日時:12月4日(日)14:00開始
場所:慶応義塾大学三田キャンパス研究室棟A会議室
 
テーマ:『マルクスとエコロジー』
報告1:佐々木隆治(立教大学) 「経済学批判体系における物質代謝論の意義」
報告2:明石英人(駒澤大学)  「資本の弾力性とエコロジー危機」
司会: 宮田惟史(駒澤大学)
 
資料代:500円(終了後、懇親会を予定)
 

Comments are closed.