現代資本主義研究会開催のお知らせ

<開催趣旨>

ベーシック・インカム(BI)をめぐる議論が活発になっています。小沢修司さん(現・副理事長)が2002年に出された『福祉社会と社会保障改革―ベーシック・インカム構想の新地平』(高菅出版)が各方面から注目され、2009年には山森亮氏(同志社大学)による『ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える』(光文社新書)がこの話題をさらに広範囲に拡大しました。このお二人の尽力により、2010年3月、ベーシック・インカム日本ネットワーク(BIJN)が結成され、その設立記念国際シンポジウムが同志社大学で開催されて多くの参加者を集めました。

また、法政大学の岡野内正氏(社会学)はBIを世界大に広げ、これまでの開発援助による貧困撲滅策(の失敗)に代わる「地球人手当」を提起しています。

経済学においても、伊藤誠氏(東大名誉教授)がさる9月の経済理論学会において、「ベーシック・インカムの思想と理論」を発表されましたが、伊藤氏のBIへの関心は、イギリスのマルクス経済学者アンドルー・グリンが『狂奔する資本主義』(原書2006年、横川信治・伊藤誠訳、ダイヤモンド社、2007年)の最後にBIを提起したことに刺激をうけたものでもありました。

基礎研所内では自由大学院でBI論ゼミ(2006年発足)が恒常的に開催されていますし、これまでいくつかの催しの中でBIが議論になっています。そこで、常任理事会は、2011年12月の現代資本主義研究会に成瀬龍夫氏(前・滋賀大学長)をお招きしてBIについてご報告いただくとともに、所内BI論ゼミからは橋本慶一さん(京都市役所、ケースワーカー)に「生活保護制度依存社会の克服」と題する現場からの報告をお願いしました。

BI構想を従来の社会保障の理念と制度および実践と比較する、基礎研ならではの企画です。多くの方の参加を呼びかけます。(文責:角田修一:『経済科学通信』編集局長)

 

日時:2011年12月25日(日)14:00-17:00

会場:京都大学法経済学部東館2F 201演習室

司会:角田修一

報告者: 成瀬龍夫「社会保障かベーシック・インカムか―わが国の未来と選択―」

橋本慶一「生活保護制度依存社会の克服」

コメンテータ:小沢修司

参加申込不要、資料代500円

*参加申込は不要です。当日会場で資料代500円をお支払いください。 終了後、おむら家にて懇親会(予算約3000円)。懇親会参加希望の方は、22日までに事務局(office@kisoken.org)に連絡ください。」

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