「いまなぜ技術論か ―出版プロジェクトの蹉跌を考える―」
基礎経済科学研究所の40周年記念事業の一環として進められていた「技術論プロジェクト」が関係者の真剣な討論にも関わらず見解の相違を埋められず中止されました。職人的「技」をどうとらえるか、生産過程論中心で議論していた『資本論』とは異なりもっと消費過程に注目した議論が必要かどうか、などが論点となったようです。これは、学派を超えた討論のプラットホームとして基礎研が機能していることを示すとともに、新たな議論の地平を開拓するのがいかに難しいかを示しています。しかし、ここで真剣に議論されたことは大きな意義を持ちますので、その過程で議論されたこと、また野口さんが考えられたことを共有財産としたいと考えます。「消費過程の現代技術」に注目した隣接プロジェクト=「ケイタイ資本主義プロジェクト」からもコメントいただきますので、多くの皆さんの参加を期待します。
日時:2011年9月10日 14:00-17:00
場所:京都大学経済学研究科201演習室
司会 :大西広(京都大学)
報告者:野口宏(元関西大学)
コメンティター:増田和夫(京都経済短期大学)
資料代:500円 (参加申込不要)