基礎研WEB政治経済学用語事典

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 道具

 道具とは、労働手段の一種であり、人間が最初に作り出した労働手段である。人間は社会生活を営み、継続するために自然や労働対象に働きかけ、生産物を獲得しなければならないが、その際に労働手段を作り、また使うことが他の生物の生命活動とは異なる点である。道具の多くは人間が手に持って直接対象物に働きかけるものである。
 
 人類の発展段階を石器時代、青銅器時代、鉄器時代と区分することがあるが、これは道具が何を素材にして作られているかによる時代区分である。人間は道具を改良しまた新たな道具を作ることによって生産力を上昇させてきた。また道具を駆使して生産物を作るためには、人間の技能・熟練の向上が不可欠である。道具が発達するとともに分化し多様化し、ついには機械にまで発展した。生産の仕方が機械体系を中心として編成されるようになる過程が産業革命であり、ここにおいて資本主義が本格的に確立するのである。
 
 

(1)田辺振太郎『技術論』青木書店、1960年。
(2)サミュエル・リリー『人類と機械の歴史』岩波書店、1968年。
                                       (北村洋基)