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生産手段 人間が労働力を使用して自然に働きかけ、自分自身の生活手段を獲得する活動を労働という。したがって、労働は、人間が労働手段を用いて労働対象に働きかける過程である。労働対象とは労働過程の客体であり、天然に存在するものと過去の労働の産物である原料からなる。また、労働手段とは、「労働者によって彼と労働対象とのあいだに入れられてこの対象への彼の働きかけの導体として彼のために役立つ物またはいろいろな物の複合体」であり、「それ自身が彼の活動の器官」(マルクス)として労働対象への働きかけを媒介する物である。人間労働の一般的な対象として存在する土地は、労働対象であると共に、工場の建物や道路を提供するという広い意味での労働手段であるとみなされる。 過程としてではなく、対象化された労働すなわち結果としての生産物の立場からみれば、労働手段と労働対象は生産手段となる。 (1)カール・マルクス『資本論』第1巻第5章 (廣瀬幹好) |