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近代経済学 |
資源 資源(Resource)は、人類の生存を支える対象であり、まず大地そのものである。マルクスは、「土地は彼の根源的な食糧倉庫であるが、同意にまた彼の労働手段の根源的な武器庫でもある。」(『資本論』第1巻194頁)とし、直接的な食糧、衣料、住居となると共に、武器、道具、原料、機械体系の素材となるとしている。 森林については、杉、松、檜など、家具、道具、建築物、船舶の材料となる。里山は、緑の保全、森林浴、生態系の生存する空間となっている。急激な人口増加による、薪炭を生産するため、あるいは製紙のための伐採、ハンバーガーの普及に伴う牧場の拡大、農地の開拓などの結果その面積を狭めている。中国などにおける森林激減と砂漠化の結果、黄砂が日本にも飛来している。 鉱物資源には、まず、石炭、石油、天然ガスなど化石燃料がある。中近東、ロシア、カナダ、オーストラリアなどに多く埋もれている。これ等は不可逆的に減少するのみであり、石油はあと50年、石炭は250年と言われているため、電気自動車などの開発が進められている。石油は、純度が高い、液体であるため輸送が容易である、発熱量が大きいなどの理由で、エネルギー需要の40%を占めている。ガソリン、灯油、軽油、重油、合成ゴム、プラスティックなど用途は幅広い。石炭は、固体で、重量と体積がある。泥炭、豆炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭などに分かれる。燃料、コークスの原料などに使われており、埋蔵量は最大である。中国やインドでは石炭の依存率は高くなっている。大気汚染、酸性雨の原因であり浄化装置の開発などの対応が必要である。 水資源については、97%が海水であり、また淡水のほとんどは氷山、氷河であり、河川、湖、地下水、雨水は数%である。農林漁業、観光、船舶などによる人と物の輸送、飲料水など用途は広い。昔から、雨乞い、滝信仰、精霊流し、河童伝説、ため池の釣りなど生活に密着している。農業用水の利用が最多である。砂漠化による水不足、地下水利用による地盤沈下などに悩む地域は多い。北海、地中海、瀬戸内海などへの有害物質の流入と蓄積の影響も懸念されている。人類のふるさとは海であり、清浄な、豊かな水資源の中での生活は、今切実な課題となっている。 (1)佐々木信行『資源論入門―地球環境の未来を考える―』コロナ社、2001年。 (2)三和総合研究所編『日本の水文化』ミネルヴァ書房、2001年。 (梅垣邦胤) |