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酸性雨 石油、石炭の燃焼から硫黄が発生するが、硫黄は空気中の酸素と結合して亜硫酸ガスとなる。それが雨や霧を強い酸性にする。酸性とアルカリ性はPhという単位で測られるが、その数値が低いほど酸性度が高く、数値が大きいほどアルカリ性が強い。中性はPh7であり、通常の雨には、二酸化炭素が溶けるのでPh5〜6程度である。Phが5を下回ると酸性雨(acid rain)となる。 酸性雨によって、地中の栄養素が壊され、微生物、ミミズなどに悪影響が出る。ミミズは「無給の農夫」と言われ、土を柔らかくし、豊かにし、樹木の生育を助けるが、それが阻害され、堅くなった土地は森林減少、農地劣化、洪水の原因となる。湖沼に流入すると、魚類のえらを溶かし死滅させ、水中生物の危機となる。また、公園の彫刻、建造物の外壁を崩壊させる。ドイツのケルン大聖堂、イギリスのセントポール大聖堂、ニューヨーク自由の女神像などで腐食が激しくなっている。 (梅垣邦胤) |