研究所のご案内
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理事長メッセージ : 「人間発達の経済学」で経済科学の発展に貢献を
皆様、去る2007年9月21-23日の京都大学での研究大会ではお世話になりました。皆様のご協力で大会はかつてない規模と内容で成功し、研究所の新たな発展を確信しています。「人間発達の経済学」を今一度掲げることは、われわれの幅を拡げ、内容深めることができること、また未解明で大変研究のしがいのあるテーマがごろごろ転がっていることを知りました。基礎経済科学研究所が設立当初から掲げたテーマは間違っていませんでした。
と申しましても、もちろん、私達はそれぞれ別個の専門的な研究テーマを持っていますから、それらがすべて狭義の「人間発達の経済学」であるわけではございません。ですが、人間の関心は歴史とともに変化し、その行動様式も変化する、個人としても出生から老後に到るライフサイクル上の発達がある、またそれをどう保証できるかといった課題がある。これらには、もちろん、先の大会で大谷禎之介先生や富沢賢治先生が提起された論点も含まれます。経済科学を心がけるものなら誰もがやはり関与せねばならない問題群であると思います。
このように「経済科学を志す以上誰もが関わるべき問題」というものがいくつかあること、それには異なる分野の研究者も関与しなければならないということは真面目な近代経済学者もちゃんと認識しています。実は、私は最近、京都大学経済研究所のあるマクロ経済学者と継続した討論を行なっていますが、それはマルクスと新古典派の利子概念はどう異なるかという問題についてです。「マルクス経済学者」ではないこの先生も経済学者である以上、答えねばならない課題としてこの問題に関与してくださっています。基礎研の場合は、この「誰もが関わるべき問題」として「人間発達の経済学」があることを主張していることになります。
研究所は設立からもうすぐ40年を迎えます。この「人間発達の経済学」を握って離さず、それをもっともっと発展させ、この機会に出版企画など旺盛な活動を展開したいと考えています。所員、所友、読者でない方には、是非この機会に加入、購読をいただき、そうした一回り大きな皆様のご協力で日本と世界の経済科学に貢献したいと思っています。ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
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基礎経済科学研究所理事長 大西広 |
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