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近代経済学 |
労働の生産力 労働の生産力とは、労働が生産物を生産する力量のことである。人間とその社会は、その生存と発達のために労働手段の生産・使用によって自然に働きかけ、有用物を作り出さなければならない。それが労働であるが、労働には有用物を作り出すという具体的労働としての側面と、その生産のためにどれだけかの労働時間・労働量を投入しなければならないという抽象的労働としての側面とがある。この二面性に対応して、労働の生産力の発達には、より少ない労働の投入でより多くの生産物を生産するという側面と、これまで生産することがかなわなかった有用物を作り出すことが可能になるという側面とがある。この両面における生産力の発達のためには、人間が知識や経験を科学としてまた法則として認識し、労働手段や労働対象の開発や改良を実現してゆかなければならない。 現代における巨大な生産力の達成の根源には、総体としての人間自身の発達がある。しかし現代の生産力は自然の利用と同時に自然の破壊によって達成されてきたことも事実である。労働の生産力をどのような方向で発揮させるかが問われている段階にきたといえよう。 (1)大谷禎之介『社会経済学』、桜井書店、2001年、序章。 (北村洋基) |