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封建制 　封建制とは、君主が臣下に領地を封じ、その代償に忠誠をつくすという君臣関係がその本来の言葉の意味であるが、この意味が「領主・農民関係」として転化して使われている。農業制度としては、地主・小作関係や資本主義的農業といった近代的な土地所有制度を前提とせず、領主にも農民にも土地への占有権が存在するような重層的土地所有関係を持った。ただし、この重層的土地所有関係は「農奴制」一般の特徴であり、それはこの「封建制」だけでなく、「国家的農奴制」とも言うべき「アジア的」な専制国家の農奴制にも当てはまる。このため、「国家的農奴制」に対し、この「封建制」を「封建的農奴制」と呼ぶこともある。マルクスの場合、ヨーロッパと日本、トルコに存在したとされている。 　 　 (1) 中村哲『奴隷制・農奴制の理論』東京大学出版会、1977年　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（大西広）