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近代経済学 |
原始共産制 資本主義が大工業、奴隷制・農奴制が農業ないし牧畜業を基盤として成り立っていたのに対して、原始共産制(primitive communism)とは、本格的農業のない狩猟採集社会の社会制度。基本的には農業や牧畜業の成立以前の社会であるが、現在もなお、貨幣経済の入っていない熱帯の一部地域には残存する。 この社会は、狩猟採集という低い生産力のために剰余労働が存在しえないために搾取と階級が発生せず、共同体という集団生活を営み、またその内部における生産物の分配は基本的に平等に行われる。また、狩猟採集は気候など自然条件が整う時にのみ可能で、かつ食糧の貯蔵方法(たとえばアイヌにおけるシャケの燻製)が未確立の時代には常に食べられるだけの狩猟採集しか意味を持たなかったために、労働のできない時間=自由時間は相対的に長く存在した。しかし、この低生産性は時に人口制限のための首狩りや食人といった習慣をもたらしていた。 なお、この狩猟採集社会も大型獣を主とする狩猟の時代から、ウサギなどの小型獣を弓矢で狩る時代に入ると獲物は個別家族が個々に収穫するようになり、またその獲物の多寡が個々の家族成員の腕の良し悪しに依存するようになるため、私有財産の観念が部分的ながら発生するようになった。 (大西広) |