基礎研WEB政治経済学用語事典

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 フィランソロピー

 philanthoropy。日本語では社会貢献と訳される。フィランソロピーはもともと「人間福祉を増進させるための積極的な努力」という意味を持っていたが、近年では、企業による地域貢献活動や、芸術文化への助成(メセナ)、各種寄付活動などを総称する言葉として用いられている。
 
 フィランソロピーは、一方で、企業への信頼感や認知度など顧客としての市民のブランド価値を高めるための投資という側面を持っている。しかし、社会的な事業に参加することによって、市民に対する企業の社会的責任を果たそうとするものという側面があるのもまた事実である。免税措置の改善などとともに、企業や個人のフィランソロピーを文化支援政策として積極的に位置づけようとする考え方も展開されている。
 
 

(1)池上惇『文化経済学のすすめ』丸善ライブラリー新書、1991年、第2章。
(2)基礎経済科学研究所編『文化中心社会の条件―日本型企業社会からの自立―』労働旬報社、1994年、第3部。