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国際会計基準 国際会計基準とは、各国で異なる会計基準を世界共通のものに統一し、意思決定の際に役立つ比較可能な情報を投資家に提供することを目的として設定される会計基準である。国際会計基準の会計処理規則としての基本的な特徴は、一言でいうと、資産・負債などのストックの時価評価(公正価値評価)にある。 国際会計基準と言った場合、狭義には、現在の国際会計基準設定機関である国際会計基準審議会(IASB)の前身である国際会計基準委員会(IASC)により公表された国際会計基準(IAS)を指す。IASCは2001年にIASBへと組織替えをし、以後、IASBの公表する会計基準は国際財務報告基準(IFRS)と呼ばれる。広義の国際会計基準といった場合は、IASとIFRSの両基準を含む言葉として使われる。 世界各国で共通の会計基準を作ろうとする動きは1970年代に始まるとされているが、その流れが大きくなってきたのは90年代頃である。経済的な背景としては、多国籍企業によるグローバルな資金調達の必要、そして、資金投資情報の提供に役立つ共通言語の開発、がある。21世紀に入ってからは、EUを始めとして、中国やオーストラリアなど、世界各国が国際会計基準を採用することとなる。一方で、アメリカや日本では、当初、国際会計基準をそのまま採用するというかたちではなく、国内の会計基準を国際会計基準に準じた内容へと変更するコンバージェンス(Convergence)が行われてきた。しかし、最近では、自国での会計基準設定をやめ、国際的な機関へ会計基準設定権限を委ねる方向へ向かっている。 このように、会計基準の世界共通化が進展するなか、今後は、その影響が各国の経済的土台にどう現れるか、あるいは政治的、法律的、宗教的、文化的な影響はどうであるか、といった点が問われていくようになると考えられる。 (1)小栗崇資・熊谷重勝・陣内良昭・村井秀樹編『国際会計基準を考える―変わる会計と経済―』大月書店、2003年、第1章。 (2)J.M.ゴドフレイ=K.チャルマース編/石井明・五十嵐則夫監訳『会計基準のグローバリゼーション』同文舘出版、2009年。 (梶原太一) |