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近代経済学 |
修正資本主義 資本主義は、経済自体目覚しく発展させた反面、貧富の差の拡大、恐慌、人間のあり方の不安定化(疎外)などの深刻な害悪をもたらした。それにたいして、これらの害悪を取り除くために、所得再分配(累進課税、社会保障等)、ケインズ的恐慌対策(通貨の不換通貨化、赤字公債を発行しての財政支出の拡大等)、企業のあり方の民主化(企業の社会的責任の強調、労組の経営参画等)などを実行して、資本主義を修正しようという考え方(修正資本主義の考え方)が、20世紀以来提唱され、相当程度実行されてきている。この修正資本主義を、マルクス派は、スターリン主義全盛時代には、「みせかけの改良で大衆を欺瞞し(または、小さい改良で大衆を満足させ)、根本的には資本主義の存続を図るもの」と批判してきた。しかし、今日のマルクス派の多くは、「これらの改良は、直接・間接に大衆の要求と戦いを反映して実現したもの、(大衆が勝ち取ったもの)であり、今後ともそれらの一層の積み重ねを通じて社会主義へ移行することが展望できる」と考えるようになっている。 (小谷崇 政治経済研究所研究員)
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