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近代経済学 |
過剰蓄積 景気の最好局面においては、商業資本は大幅に信用を利用し投機的な活動を活発に展 開する結果、資本蓄積は大幅に進展する。そして、多くの労働者を雇い入れ生産活動を活 発化する結果として労賃が高騰する。その事は資本の価値増殖率の低下を招き、ついには 資本蓄積によって再生産が拡張するにもかかわらず、剰余価値の絶対量は増大せず、むし ろ減少させ始めるという矛盾した結果をも招くのである。すなわち、資本の過剰蓄積また は絶対過剰とは、現存の労働者人口、すなわち資本の現実の搾取材料、に対して資本に転 嫁すべき生産手段と生活資料が過剰に蓄積され、それらがもはや彼等の剰余労働を吸収す るする手段として、すなわち資本として役立ちえなくなり始めることを意味するものであ る。 しかし、過剰蓄積とは、生産手段と生活資料が社会一般にとって過剰に蓄積され、社会 の消費とそのための生産にとって過剰になった事を意味するものではない。それは社会の 7 資本主義的形態にとってのみ、すなわち生産者の大衆がただ剰余労働を提供する限りでの み生産や消費が許され、その剰余労働はさらなる剰余労働の吸収のための手段として役立 つ限りでのみ許されるような社会の特殊な歴史的敵対関係にとってのみ、過剰に生産され た事を意味するものである。また、剰余価値の生産の条件が市場でのその実現の条件と矛 盾するという意味でもない。 資本の絶対過剰とは、資本の搾取材料に対する資本の過剰蓄積の結果、労働者大衆が資 本の搾取材料としての彼等に許される限界を超えて消費を拡大している事でもある。また 資本にとっては、生産力が量的に拡大しすぎ、資本の既存の価値増殖条件の限界を超え、 ついにそれと矛盾するまでになることを指している。そして、資本の過剰蓄積は貨幣市場 への貨幣の現実的供給が、単にその増加を鈍化させるだけではなく、絶対的にも減少に転 じ始めることを意味するものである。 K.マルクス『資本論』第2巻第3篇20 章、21 章参照 |