基礎研WEB政治経済学用語事典

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 遺伝子組み換え食品

 遺伝子組み換え食品(GM食品)とは、遺伝子組み換え作物を原材料として使用した食品を指している。
 
 遺伝子組み換え作物は通常の交配による品種改良ではなく、遺伝子操作によるバイオテクノロジーを利用した、育種技術により作出した作物である。従来の作物交配技術では、遺伝的に安定した新しい品種を育成するには5〜10年を要するが、遺伝子組み換え技術を利用すれば、理論的には短期間での作出が可能となる。
 
 遺伝子組み換え作物に関しては、食品としての安全性、生態系への影響、作物の遺伝的多様性の喪失が指摘されている(文献(1)参照)。遺伝子組み換え食品が安全であるのかが、消費者にとっては大きな関心事項となっている。1996年の遺伝子組み換え食品の輸入解禁以来、厚生労働省は「実質的同等性」を根拠にしているが、遺伝子組み換え技術は未成熟で不安定な技術であることが大きな問題点である。
 
 

(1) 山口英昌編『食環境科学入門―食の安全を環境問題の視点から―』ミネルヴァ書房、2006年、221〜238、295〜297、313〜314ページ。
(2)T・ジョスリング、D・ロバーツ、D・オーデン/塩飽二郎訳『食の安全を守る規制と貿易―これからのグローバル・フード・システム―』家の光協会、2005年、206〜219ページ。
(3)久野秀二「遺伝子組み換え技術はどこへ向かうか」(『農業と経済』第73巻第14号、2007年12月号、5〜19ページ)。
(4)日本版バイオセーフティクリアリングハウス(J-BCH)ホームページ:
  http://www.bch.biodic.go.jp/
(5)厚生労働省/遺伝組み換えホームページ:
  http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/
(6)農林水産技術会議/遺伝子組み換え技術の情報サイト:
  http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/
                                       (樫原正澄)